極上御曹司の愛妻に永久指名されました

「お前が俺を毛嫌いしていたからだ。普通、小春に近づく奴は、俺や長谷川を狙ってくるんだが、お前はとことん俺達を避けてただろう。卒業旅行も一緒に行くことになった時、あからさまに嫌な顔をしていたじゃないか。だから、逆に信用できると思った」
うわあ、避けてたの気づかれてたんだ。
偏見の目で風間を見てて申し訳ないことしちゃったな。
「ごめん。黒沢さんのこともあって、御曹司とかにいいイメージ持てなかったの」
心から反省して謝ったら、彼が私の頬に触れてきた。
「ふーん、じゃあ今はどう思ってる？」
急に親密な空気に変わり、心臓がトクンと跳ねる。
「今は……今は意外にいい奴……きゃっ！」
あまりに動揺してポットに手が当たり、ジュッと手の甲の皮膚が焼けるような感じがした。
「痛い！」
顔をしかめて声を上げる私の手を風間が「真野！」と血相を変えて掴み、水道水で冷やす。