極上御曹司の愛妻に永久指名されました
「お前がまだ痛がってたら、着替えとか手伝えるからだよ」
風間の軽口に呆れた。
「絶対に風間に着替えを手伝わせることなんてないから、安心して」
まさか彼がそんな下らない発言をするとは思わなかった。
風間も普通の男の子だったんだ。
「遠慮しなくていいのにな」
フッと微笑する彼をじっとりと見る。
「全力で遠慮します。小春にもそんなこと言ってるの?」
「小春に言ってどうする?妹同然の小春に言ったらただの変態だ」
真顔で答える風間がなんだかおかしい。
こんな彼を小春も知らないのかな。
「いや、私に言っても充分変態です」
わざと怒った顔をするが、どうしても口元がゆるむ。
ふたりでそんなやり取りをしながら一緒に朝食を作って、六人がけのダイニングテーブルに座って食べる。
その後皿を食洗機に入れて片付けを済ますと、テーブルの上に置いておいたスマホがブルブルと震えた。
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