極上御曹司の愛妻に永久指名されました
キスというよりは頭突きに近い感じ。
でも可愛いからもうイルカと触れ合えるだけで嬉しい。
前屈みで餌をあげるが、よろけてしまって……。
「キャッ!」
プールの水が目の前に迫ってきて落ちるかと思ったのだが、ガシッと逞しい腕が私の腰に回され、そのまま誰かの胸に抱き寄せられた。
私の背後にいたのは風間だ。
でも、最近一緒に住んでいるせいか、もう気配や感触で彼だとわかってしまう。
「危なっかしい奴だな」
彼にやんわりと注意され、狼狽えながら謝る。
「……ごめん。つい興奮しちゃって」
「プールに落ちて風邪引くなよ」
「はい。肝に銘じます」
そんな私と風間のやり取りを見ていた小春が無邪気に微笑む。
「ふたつとも凄く仲良くなったね」
「うん、確かに。卒業旅行した時は、紫ちゃん滅茶苦茶風間を警戒してたし、今は恋人に見える」
長谷川の発言に顔の熱が一気に上がる。
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