極上御曹司の愛妻に永久指名されました
靴を脱いで部屋に入ると、お香の甘い香りがした。
「うーん、いい匂い」
部屋は十畳の和室が二間とトイレに露天風呂がついていてる。
露天風呂からは海を望めて眺めは良さそう。
今はもう日が暮れちゃったけど、明日の朝はさぞかし綺麗な景色が見られるだろう。
「素敵な部屋だね」
小春に微笑めば、彼女も微笑み返した。
「うん。なんだか卒業旅行の続きみたいで楽しいね」
仲居さんが淹れてくれたお茶を飲んで一息つく。
「食事はお隣の部屋で七時半にお持ちします」
そう告げて仲居さんは部屋を退出した。
「七時半ならもうすぐだね。恭一くんたちの部屋に行こうか」
小春がチラリと腕時計を見て、すぐに私に目を向けた。
「そうだね」
彼女の言葉に頷いて、風間たちの部屋に行く。
コンコンとノックすると、長谷川が優しい笑顔で出迎えてくれた。
もう彼は浴衣に着替えていてリラックスムード。
「いらっしゃい」
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