極上御曹司の愛妻に永久指名されました
でも、彼がここにいるのが気になる。
「な、なんで風間が女湯にいるのよ!」
胸元を手で隠して腰にタオルを巻きつけている風間を責めたら、彼は少し驚いた顔で言葉を返した。
「お前が入った時は女湯だったかもしれないが、今は男湯だ」
え?
男湯〜?
時間帯によって入れ替わるの〜!
お湯は熱いはずなのに、サーッと血の気が引いていく。
ショックで身体が沈みそうになると、すかさず風間に抱き留められた。
「頼むから、ここで失神しないでくれ」
こんな困惑顔の彼を見るのは初めてだ。
だが、それよりも彼の身体に密着しているのがすごく気になる。
出来ればこのまま失神して全て忘れたい。
「小春がお前がいないって探していたが、まさかまだ風呂にいたとはな」
風間が苦笑いすると、また扉が開く音がした。
恐る恐る扉の方に目を向ければ、今度は長谷川が入って来た。
彼も腰にタオルを巻いていてホッと胸を撫で下ろすも、事態はさらに悪化している。
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