極上御曹司の愛妻に永久指名されました
「風間、さっき変な叫び声が聞こえたけど」
長谷川が岩風呂にやってきて、彼と目が合った。
風間の背中で私の身体は隠れているけど、ここに私がいるのが問題なのだ。
ぞろぞろと他にも人が入ってきたらどうしよう〜!
お風呂から出れないよ〜!
「え?紫ちゃん?」
呆気に取られた顔をする長谷川。
目を瞬いて私を二度見する。
きっとなんで男風呂に私がいるのかと思っているのだろう。
あ〜、私の馬鹿!
なんでお風呂で寝ちゃったの〜!
「長谷川、他の客は来させるな。あとバスタオル持って来てくれ」
風間がそう長谷川に頼むと、長谷川は「わかった」と短く返事をしてこの場からすぐに去る。
ふたり残されたが、ほぼ裸で風間と抱き合っているということに気まずさを覚えた。
心臓がドキドキしている。
きっと風間にも私の心臓の音が聞こえているに違いない。
このまま長谷川が戻るのを待たなきゃいけないの?
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