極上御曹司の愛妻に永久指名されました

下着と浴衣を身につけて再び露天風呂に向かうが、また彼らと顔合わせるかと思うと足が重い。
小人さんとかが私の代わりに、「もう真野は服着ました」って伝えてくれないだろうか。
そんな風に現実逃避しながら扉を開け、顔だけ出す。
すると、風間と長谷川は寛いだ様子でお湯に浸かっていた。
「もう着替えたから。ごめん。ありがとう」
動揺しながらそう声をかけたら、ふたりがフッと微笑した。
「どういたしまして」
「じゃあ」と扉をすぐに閉めて、タオルを持ってお風呂を出ると、廊下で旅館の従業員さんと小春がうろうろしていた。
「あの……ご迷惑をお掛けしてすみません」
従業員さんに顔を向けて深く頭を下げれば、従業員さんも平謝りした。
「いえ、いえ、こちらこそ確認が不十分で申し訳ありませんでした」
多分、岩影に隠れてしまって私の姿が見えなかったのだろう。
それで男女のお風呂を入れ替えたのだ。