極上御曹司の愛妻に永久指名されました
だが、風間が急に私から離れる。
「俺たち、キスの相性がすごくいいな」
まだボーッとしている私の唇を風間は指で名残り惜しそうになぞると、スマホを取り出して電話に出た。
「真野を見つけた。少し散歩して帰る。小春にもそう伝えておいてくれ」
どうやら電話の相手は長谷川らしい。
多分、電話がかかってきたから風間はキスを終わらせたのだろう。
恋人じゃないのに何度もキスするってどうなのよ?
風間にとってはこれが普通なの?
それに、私もどうして拒まなかった?
私が抵抗しなければ、彼はすぐにキスをやめたはずだ。
拒まなかった理由なんてわかっているでしょう?
私……風間に惹かれてる。
こいつが好きなんだ。
自分でもなんとなくわかってはいたけど、認めるのが怖かった。
彼はいずれ風間コーポレーションの社長になる人だから。
長谷川との通話を終わらせた風間が、私に手を貸して立たせる。
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