極上御曹司の愛妻に永久指名されました
私に逃げ道はない。
小春の恋の邪魔はできないもん。
でも、風間と一緒にいられて嬉しいという自分もいて気持ちは複雑。
心臓はバクバクしている。
今夜、ついに私は処女を卒業するのだろうか。
激しく動揺している私の手を掴んで風間は歩き出す。
彼が何か喋っていたが、もう全然頭に入って来なかった。
十分ほど浜辺を散歩すると、旅館に戻って風間たちの部屋にあがる。
予想はしていたが、京都の時と同様、布団が二組敷かれていて、彼のことを意識せずにはいられない。
あまりに緊張しているせいか、無性に喉が渇く。
「真野は先に寝てていい」
風間に肩をポンと叩かれドキッとするも、彼の言葉にん?と首を傾げる。
「寝ないの?」
「ちょっと仕事してから寝る」
彼の返答にホッとするというよりは、逆に心配になった。
風間の『ちょっと』は一時間では終わらなそう。
ノートパソコンを持って隣の部屋に行く彼。
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