極上御曹司の愛妻に永久指名されました

まあ彼は副社長だから接待も多いし、会食がなければ会議があったりして帰宅はいつも深夜近い。
「……了解」
長谷川の言葉に渋々頷く。
タクシーなんてもったいないなあ。
恭一のお金で乗るから、なんだか申し訳ない。
黒沢さんだって現れないし、もう大丈夫だと思うんだけど。
電車で帰っちゃおうかな。
そんな考えが頭に浮かんだのだが、すかさず長谷川が念を押す。
「絶対にタクシーで帰ってね。でないと、副社長がどんなお仕置きするかわからないよ」
彼の脅しに背筋が寒くなる。
恭一を怒らせたら、なにをされるかわからない。
ここは大人しく従うしかないだろう。
「……わかってる」
「本当にわかってる？風間は紫ちゃんが大事だから心配してるんだよ」
今日の長谷川はやけにしつこく確認してくるよね。
過保護なくらい恭一が私を守ろうとしているのは自分でもよくわかってる。