極上御曹司の愛妻に永久指名されました
私の髪を撫でながら、彼は落ち着いた声音で答えた。
GPS……。
ああ。今はスマホでわかるんだっけ。
恭一がなにかあった時のために設定しておいたのだろう。
「……お姉ちゃんの誘いを断れなくて。ごめんなさい。でも、この部屋だってどうしてわかったの?」
「長谷川に黒沢の名前で予約が入ってないか調べさせた。それで、ホテルの人にお前が誘拐されたって言ってこの部屋の鍵を開けてもらおうとしたら、部屋から出てくるお前のお姉さんとでくわして、俺たちが問い詰める前に黒沢のことをペラペラ喋ったんだよ。ハイテンションで様子がおかしいのが気になった」
恭一の説明に首を傾げる。
「お姉ちゃんがハイテンション?」
「ああ。黒沢のことがあってお姉さんのことも調べたんだが、お姉さんは過去に自殺未遂をしたようで、今心療内科に通っている」
恭一の話に酷いショックを受けた。
「自殺未遂?それに……心療内科?」
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