極上御曹司の愛妻に永久指名されました
真面目にお説教?
「ん?」
名字が同じって何?
彼の言葉の意味がわからない。
「でも、か……恭一とは兄妹じゃないし、親族でもないよ」
私がそう言い返したら、恭一は苦笑いした。
「お前って……相当鈍いだろ?」
「小春よりは鈍くないはずだけど……」
急に話が変わって戸惑いながら返したら、彼はジーッと私を見据えて今度ははっきりと断言した。
「いや、小春は見た目に反して鋭いけど、紫は鈍い」
「え〜、それは異議あり。小春のが絶対に鈍い。男の子に『付き合ってください』って言われても、ニコッと笑って『どこまで?』って答えるんだよ」
ムキになって反論したら、恭一はフッと笑った。
「いや、あいつは面倒だから、わざとボケてるんだ」
……え?あれってわざとなの?
私よりも恭一の方が小春との付き合いは長い。
多分、彼の方が彼女の性格を熟知している。
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