極上御曹司の愛妻に永久指名されました
「指輪気に入った?」
「うん。指輪なんてもらったの初めてで嬉しい。ありがとう」
心から感謝の気持ちを伝えると、彼はこの上なく優しい声で返した。
「どういたしまして」
指輪を見てニマニマしていたら、恭一に抱きしめられた。
それからしばらく抱き合っていたのだけど、大事なことを思い出して「あっ!」と声を上げた。
恭一が抱擁を解いて「どうした?」と私に尋ねる。
「恭一にプレゼント用意したのに持って来なかった〜!」
今日一緒に過ごすと思わなかったんだもん。
彼の好きなブランドのカフスボタン買ったのに〜。
恭一の耳元で叫んだら、彼は私の声が煩かったのか顔をしかめた。
「何を大騒ぎするかと思えば」
「だって、せっかく用意したのに渡せないんだよ〜。もうショック〜!?」
頭を抱える私とは対照的に、彼は至極冷静だ。
「別に今ここでなくても、明日家に帰れば受け取れる」
「それはそうなんだけど……。ああ〜、今渡したかった〜!」
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