極上御曹司の愛妻に永久指名されました

2、悩みの種

「なんか一週間あったのに、あっという間だったね」
飛行機が成田空港に到着し、シートベルトを外して席を立つ。
時刻は午後五時過ぎ。
「うん。またこのメンバーでどっか行きたいな」
小春は私の言葉に小さく微笑んだ。
「本当は長谷川とふたりで行きたいんでしょ?」
彼女に顔を近づけ声を潜める。
「もう、紫ったらあ!」
小春がバシッと私の背中を叩いた。
誕生日祝いをした次の日、彼女は長谷川に『好きです』と告白したらしい。
それで、小春がもらった返事は、『僕を落としてみなよ』って言葉と額にキス。
振るでもなく、付き合うでもなく、曖昧な答え。
ホント、長谷川って罪作りな男。
でも、きっぱり振られた訳でもないし、小春にはまだまだチャンスはある。
だって、小春も長谷川と風間コーポレーションで四月から働くから。
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