極上御曹司の愛妻に永久指名されました
その後、キャンパスで彼女を見かけ、声をかけてみた。
『今日は小春はいないんだな。一緒にランチどう?』
小春は紫のことをとても気に入っている。
小春は勉強が苦手なところがあって、紫がわかりやすく教えてくれるし、面倒もよく見てくれるらしい。
小春は妹みたいなものだし、紫にお礼を言おうとしたのだが……。
『すみません。今日はお弁当作ってきたので』
彼女は誘いを素っ気なく断り、俺の前からスタスタと歩き去った。
すんなりオーケーしないとは予想していたが、ここまでキッパリ拒絶されるとは思わなかった。
ハハッと苦笑いする俺。
『風間でも振られることがあるんだ』
長谷川が面白そうにククッと笑う。
『お前が誘っても結果は同じだ』
そんな負け惜しみを言ってしまう自分に驚いた。
軽く流せばいいのにな。
その後も紫の姿を見かけると、親しげに声をかけた。
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