極上御曹司の愛妻に永久指名されました
むしろ遅いくらいで、今婚姻届を出して彼女の名字を変えてもいいと思ってる。
そんなことをしたら紫がパニックになるだろうけど。
結婚式のことは紫にプロポーズする前に、長谷川と日程などの大まかなことは決めていた。
『紫ちゃん、勝手に式の日程決めて怒らないかな?』
『紫に決めさせるといつになるかわからないだろう?』
少し不安そうな顔で尋ねる長谷川にそう答えたら、彼は納得した表情で頷いた。
『ああ。紫ちゃんってそうかもね。式とかハネムーンはお金がかかるからいいとか遠慮しそう。小春はパンフ集めていろいろ悩みそうだけど』
小春のことを思い浮かべてクスッと笑う長谷川を見ていると、ふたりの結婚もそう遠くないように思う。
彼にまだ結婚する気がないなら、そんな話はしないに違いない。
来年はアルバムに貼る写真が増えそうだ。
俺と紫の結婚式やハネムーン。他にもいろいろ。
写真をジーッと見ていたら、愛おしい婚約者の声がすぐそばで聞こえてハッとした。
「あ〜、何サボってんの!」
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