極上御曹司の愛妻に永久指名されました
「あっ、待って。それは私が払うから」
慌てて声をかけるが、彼はウィンクする。
「たいした金額じゃないし、カッコつけさせてよ」
すでに何もしなくても、カッコいいのでは?
そう突っ込もうとしたが、風間がポンと私の肩を叩いた。
「ほら、行くぞ」
「えっ、でも……」
躊躇う私の手を風間は掴んで歩き出す。
「いいから。会計でもめてたらみっともない」
……確かに、悪目立ちするか。
「わかったから、手を離してくれる?」
彼を見上げてそうお願いすれば、あっさり離してくれた。
異性に触れられるのは慣れない。
ひどく緊張するのだ。
「お前、男性恐怖症ってことはないよな?」
じっと私を見る彼に小さく頭を振った。
「違うよ。落ち着かないの。男の子と手を繋ぐって小学校の遠足くらいだったから」
素直に打ち明けるが、彼は皮肉を口にする。
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