極上御曹司の愛妻に永久指名されました

4、就職取り消し?

咄嗟についた大嘘。
風間が否定したら終わりだ。
心臓はバクバク。
お願い、今だけ恋人の振りをして!
風間を見上げ、必死に目で訴える。
すると、彼は私の肩を優しく抱いて黒沢さんに冷ややかに告げた。
「珈琲店にも来ていたね。今後一切紫に近づかないでくれるかな?あまりしつこいと警察を呼ぶよ」
風間の言葉を聞いてホッとする。
どうやら私に協力してくれるようだ。
空気が読める人でよかった。
「お前……風間コーポレーションの御曹司」
黒沢さんは風間のことを知っているのか、悔しそうに顔を歪める。
同じ御曹司でも風間と黒沢さんではなんというか格が違う。
会社の規模も風間の方が断然大きいけど、人間としても彼の前では黒沢さんは言い方は悪いが雑魚キャラに見えてしまう。
今日ほど風間の存在を頼もしく思ったことはない。
風間がギロリと黒沢さんを睨めば、黒沢さんは捨てゼリフを吐いてこの場を去った。
「次会ったらただじゃ済まないからな!覚えてろよ!」
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