極上御曹司の愛妻に永久指名されました

「"美味しいもの食べに行こう"って電話でもいいんだよ」
長谷川がにこやかに言うと、小春も小さく微笑んだ。
「そうだよ。今日みたいに飲茶食べに行くとか」
いや、なんで私が風間を食事に誘うのよ。
話がおかしいでしょう？
「それなら風間じゃなくて小春に連絡するわよ。それに、四月になったら私は就職先違うし、今日みたいに風間や長谷川と食事する機会はないと思うわ」
納得できずに言い返せば、なぜか風間と長谷川が顔を見合せニヤリ。
「……何がおかしいの？」
ふたりの反応が気になってスーッと目を細めると、風間が小さく頭を振った。
「何でもない」
「そうそう、何でもないよ」
長谷川が風間に合わせクスリと笑う。
いや……何かあるでしょう？
疑いの目でふたりを見ていたら、リムジンは私の家の前で停車した。
「もう着いたんだ、早い。じゃあ、今日はありがとう。おやすみなさい」