極上御曹司の愛妻に永久指名されました
風間は身を屈め、私の頬に両手を添えると、額にチュッとキスをする。
「ちょっ……何すんの!」
驚いて後ずさる私を楽しげに眺め、彼は手を上げた。
「おやすみ」
もう、あいつは誰にでもキスすんの?
私をなんだと思ってるんだ!
パリでだっていきなりキスしたし、何なのよ、あいつは。
エセ紳士!
プンプン怒りながら、家の鍵を開ける。
玄関に入ると、リムジンが走り去る音がした。
コートとドレスを脱いで、軽くシャワーを浴びる。
彼にキスされた額が熱かった。
シャワーを終えて髪を乾かし、リビングに行ってソファに腰を下ろす。
時刻は午後十一時過ぎ。
夜のニュースをテレビでやっていて、両親はコーヒーを飲みながらテレビを見ていた。
「謝恩会楽しかった?」
母親が私に目を向ける。
「全然。なんだか疲れちゃった」
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