極上御曹司の愛妻に永久指名されました

「か、か、風間〜！」
素っ頓狂な声を上げる私を見て、彼は楽しそうに頬を緩めたが、社長はギョッとした顔になった。
「真野さん！」
社長に注意されて気づいた。
あっ……今の彼は私の同級生である前に、風間コーポレーションの副社長だった。
呼び捨てはマズイ！
わー、入社早々クビ？
そんなの嫌〜！
「申し訳ありま……!?」
ペコリと頭を下げて謝ろうとしたら、風間が私の言葉を遮った。
「構いません。彼女は僕の親しい友人なんです」
私の目を見て彼はニヤリとする。
決して『親しい友人』ではないのだが、ここはじっと堪える方がいいだろう。
文句を言える立場ではない。
「ああ。そうとは知らず、こちらこそ失礼しました」
社長は深く頭を下げた。
五十代くらいの社長が自分と同じ年の風間にペコペコするのを見て違和感を覚える。
「真野、お前にはうちの秘書課に来てもらう。もう坂田社長とは話がついているから」