極上御曹司の愛妻に永久指名されました
風間を見上げて問い詰めるが、彼は私の腕を引いて歩き出す。
「車の中で話す」
会社を出れば、正面玄関前に黒塗りの車が停まっていて、風間と一緒に乗り込んだ。
「それで、理由を説明してもらいましょうか?」
彼を睨みつけ、強い口調で問い詰める。
「俺がお前の恋人って話、本当にしてみないか?」
予想もしない彼の言葉に、何度もパチパチと瞬きをした。
風間の恋人って……。
「は?あんた、病院行った方がよくない?」
正気とは思えない。ふざけているの?
顔をしかめて聞き返したら、彼はフッと笑った。
「言うと思ったよ。お前は黒沢の御曹司の件で困ってるだろう?しばらく俺の恋人の振りをしないか?」
私の冷めた視線を受け止め、風間はビジネスの話をするかのように提案する。
「でも、あれから黒沢さん現れてないし、大丈夫よ」
なにその提案。
眉間にシワを寄せながら答えると、風間は後ろを振り返った。
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