極上御曹司の愛妻に永久指名されました
「お前、気づいてないのか?後ろの交差点近くに停まっている真っ赤なイタリア車、見てみろ?」
真っ赤なイタリア車?
ハッとして後ろを振り返れば、確かに見覚えのあるイタリア車が停まっている。
色も赤だし、超高級外車で目立つ。
黒沢さんは同じ車は日本に数台あるだけって、前に自慢気に話していた。
だから……黒沢さんの車である可能性が高い。
運転手が車を発進させその赤い車は段々小さくなって見えなくなったが、私の心をかき乱した。
黒沢さんのだとしたら、坂田物産の近くに偶然停めてる……なんてことは多分ない。
「……私を待ち伏せしてるの?」
背筋がゾクッとした。
最近見ないと思って安心してたのに……。
「やっぱり、あの男のか。お前を初めて送って行った時、あの車見て表情を変えたから、おかしいって思ったんだ」
風間はじっと私の顔を見る。
「就職先まで来るなんて……」
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