極上御曹司の愛妻に永久指名されました
沸々と怒りが込み上げてくる。
単に煩い女を追い払いたいだけだよね。
ちょっといい奴かなって、見直してたのに。
人の意思も確認しないで、権力使ってなんでもするわけね。
「わかった。その話、乗るわ……なんて言うと思う?嫌よ!」
怒りをたぎらせ言い放つが、彼は余裕顔。
「そうか。だが、これは俺の命令だから従ってもらう」
「横暴すぎるわよ!」
風間に噛み付くが、こいつは気にすることなく、さらに私を追い詰める発言をした。
「横暴で結構。嫌なら会社を辞めてくれていい」
「……最低!」
ボソッと小声で呟き、ギュッと唇を噛む。
悔しいけど、これが社会というものなのだろう。
どんなに無茶なことを言われても上の者に従わなければならない。
彼は風間コーポレーションの副社長で、私は買収先の新入社員。
風間の一存で私をどうにでも出来る。
ここで"辞めてやる"って言えたらどんなにいいだろう。
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