極上御曹司の愛妻に永久指名されました
味もまあまあいけるが、私は昔ながらのペーパードリップ式の淹れ方が好きだ。
風間が坂田物産を買収した関係で、良質のコーヒー豆が秘書室に回って来て、幹部や来客にはこの豆を使っている。
「ついでに私の分も淹れちゃおう」
カップとサーバーにお湯を注いで温め、コーヒーポットにお湯を入れておく。
このコーヒーポットに入れるというのが大事。
本当は温度計でお湯の温度を計りたいところだが、秘書室にはない。
勘で適温を判断している。
コーヒーは熱湯を注げば苦くなるし、ぬるければ酸味が出てしまうのだ。
だからコーヒーポットにお湯を入れて冷まし、適温にしている。
ドリッパーにフィルターとコーヒーの粉を入れ、表面を平らにして「の」の字を書くようにゆっくりとお湯を注ぎ、三十秒ほど蒸らしてまたゆっくりとお湯を入れる。
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