極上御曹司の愛妻に永久指名されました
人数分のコーヒーが出来たら、ドリッパーをすぐに外し、カップに注いで出来上がり。
「うん、い〜い香り」
この匂いを嗅ぐだけで癒やされる。
コーヒーを持って副社長室に向かい、ドアをノックして中に入る。
すると、風間が真剣な表情でパソコン画面を見ていた。
「コーヒーお持ちしました」
そう声をかければ、彼は「ああ、ありがとう」とパソコン画面から顔を上げた。
風間は砂糖もミルクも入れず、ブラックで飲む。
「お前が淹れると美味しいな」
風間は私を見て頬を緩めた。
「これくらいしか取り柄がないもので」
ムスッとした顔で返すが、彼は構わず続けた。
「他の役員にも好評だ。よそで出されるコーヒーはもう飲めないって言ってる」
「それはどうも」
形ばかりの礼を言って秘書室に戻ろうとしたら、風間に呼び止められた。
「待て。今日からこれを使うように」
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