極上御曹司の愛妻に永久指名されました
正に特権階級。
でも……私は庶民なんですけど。
「ほら、このスーツ。ほんのりピンクで春らしいし、このアイボリーのも品があって素敵だよ」
紙袋から服を取り出して小春は笑顔で私に見せる。
この服だけでいくらするんだろう?
私の持ってるスーツなんて二万程度のもの。
「これって……お金どこから出てるの?」
会社から出てても、風間のポケットマネーでも断るつもりだったが、誰が負担しているのか知りたかった。
「さあ、私は知らないよ。でも、制服と同じって考えればいいんじゃないかなあ?」
呑気な小春の発言に盛大な溜め息をついた。
「そんな風に思えない。受け取れないよ」
「え~、困ったなあ。もうこれ返品出来ないの。返品したら、風間の信用が落ちるし。どうしよう〜」
小春は悩ましげに呟きながら、私をじっと見ておろおろする。
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