極上御曹司の愛妻に永久指名されました

田島さんまでそんなこと言わないで。気がおかしくなりそう〜。
「そ……それは、実は……!?」
風間とは婚約者でも恋人でもないと事実を彼女に話そうとしたら、小春が私の言葉を遮った。
「田島さん、そう言えば、さっき経理に行くって言ってませんでした？」
「あっ、そうだったわ。じゃあ、よろしく頼むわね」
田島さんは苦笑して、秘書室を出て行く。
「あの～、田島さん……話がまだ途中なんですけど」
彼女に声をかけるが、ドアがバタンと閉まって気づかずに行ってしまった。
「紫、何を言っても無駄だよ。田島さんは、恭一くんと紫が相思相愛って思ってるから」
小春は小悪魔のようにニヤッとする。
この顔……やはり普段おっとりしていても、風間と血が繋がっているって思わずにはいられない。
「もう風間でしょう？好き勝手言って」