元カノと復縁する方法
二人から一人になっただけで、こんなに空気が変わるものか。颯は小さくため息をついた。

学生時代から一人暮らしをしている颯にとっては、二人暮らしよりも一人の生活の方が断然長い。
それでも、誰かがいる安心感、おかえり、という柔らかい笑顔が消えてしまったこの部屋には、拒絶されている気さえする。

「あー。夕飯・・」

適当に何か作るか、と冷蔵庫を開けた。旭が買い足してくれていた肉や野菜があるが、何も作る気になれず、バタンと閉めた。

結局、カップラーメンを啜り、さっさと布団に潜り込んだ。


しんとした部屋で、仰向けになって目も開けたまま、また考える。

そんなに、結婚したかったのか、旭は。

颯も旭も地元は東京ではない。どちらも、都会というより長閑な田舎に実家がある。中学の同級生はほぼ結婚して子どもがいるような。
お互いの親からも、帰省の際には100%結婚はまだかと聞かれていた。

実は、結構焦ってたのか?

旭の高校や大学の同級生になると、半分くらいはまだ結婚もしていなかったはずだ。颯も同じで、東京に出てきてからは、30になってから考えようとしている所があった。


広々と使えるはずのベットはやけに冷たく感じて、何度も寝返りを打ち、最終的には芋虫のように布団に包まって眠りに落ちた。
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