元カノと復縁する方法
玄関で夢中でキスしながら靴を脱ぐ、なんて、映画とかドラマの世界だけだと思っていた。

思い出して顔が熱くなり、両手で覆う。

会社で見ている姿とのギャップはでかかった。旭は欲望に忠実で奔放で、何が一番厄介かって、決して素直ではなかった。挑発的な言動にカチンと来て、身体を抑えつけて若干力任せに事を運んだ。

が、身体の相性は、めちゃくちゃ良かった。
結局、夢中になって1回、落ち着いてもう1回、朝方目覚めてもう1回。止まらない、と思った。

土曜日の昼近く、次に目が覚めて見たのは服を着て帰ろうとしている旭の姿で・・

それを見たとき、強く思った。



逃がすかよ。



そう、逃がしたくないと思った。逃してはいけなかった。

自分の愚かさに俯く。

あまりにも簡単に手に入ってしまった。あまりにも側にいるのが普通になってしまっていた。


馬鹿か、俺は。

感情むき出しにしてでも、俺の側にいて欲しいと、伝えるべきだったんだ。


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