元カノと復縁する方法
「桐山、さ・・」

狭い車内で後ろから抱き締められる。首を後ろに向かせて唇を貪られた。桐山を完全に拒否しきれない自分に、嫌気が差す。

もうこんな事はやめる。その言葉をいつも伝えようとし、そう出来ない日が続いていた。
つかず離れずの距離で快楽を与えられ、少しでも嫌がる素振りをすれば、それ以上は求めてこない。

桐山が何を考えているのか分からず、旭は溺れそうになる自分を必死で治める。


キスは耳や、首筋にも降りてくるようになった。
そのたびに反応する自分の身体が恨めしい。

桐山も、日に日に、吐く息が苦しそうになっていく。
許してしまえば、お互いに楽になるのだろうか。

集中していないことを咎めるように、後ろから、耳の後ろを優しく噛まれた。

「ぁ」

小さく出てしまった声に、桐山の身体がびくりと反応した。
ちゅ、ちゅ、と首にキスを続けながら、手が服の裾から侵入してくる。

「ぁ、ちょっ・・」

慌てて抵抗しようとした手を押さえつけられ、
性急に下着を上にずらされた。手が膨らみを包み込む。

はぁ、と熱い息が耳にかかった。

「君は、・・着痩せするんだな」

その言葉に、カッと顔が熱くなる。

首筋に噛み付くようにキスされながら、最初は躊躇いがちに、徐々に荒く揉まれ、旭の息も荒くなっていく。
手で全体を包んだまま、その指の隙間で反応していた突起を挟まれた。

「ん、ぁ・・っ」

「・・ぅ・・」

私の声と反応に、小さく呻く声がする。

きゅ、きゅ、と挟まれる度に身体がびくびくと反応し、それが桐山を追い込んでいく。

「・・めだ」

「え?」

掠れて聞き取れない声を、旭も声にならない声で聞き返した。

「だめ、だ・・君が、求めてくれるまではと、思ってたんだけど、・・ぅ・・はぁ、」

「試すつもりで、いい、から・・」

「俺に許して・・」

刺激と耳元で囁かれる声で快楽に溺れかかっていた意識が、その言葉で覚醒する。


『なぁ、・・試す?』


急に固くなった旭の変化に桐山は気付いた。手を止め、顔を自分の方に向かせる。その旭の表情を見て顔を歪めた。

「今、何を考えてる。」

冷たくなった空気に、旭の身体はぶる、と震えた。
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