元カノと復縁する方法
颯が香月に呼び出されたのは、会議の3日後だった。
10人用の小さい会議室に案内される。

「座って。」

そう言われ、香月の正面にかけた。難しい顔をしてこちらを見ながら、香月は言った。

「何の事か、分かってるわよね。」

はい、と答える。

あの日、交わした声は決して大きく無かったが、周りには人が大勢居た。桐山と俺という、元々同じ部署で一緒に仕事をしていた二人が睨み合っているのは、誰にとっても面白いニュースだっただろう。
迂闊だった。きっと、旭の耳にも入っている。そう思うと、憂鬱になった。

「もともと、仲が良くなかったの?・・桐山くんとは。」

「いえ」

「じゃぁ・・榛名さんは関係ある?」

「・・いえ。」

そう答えたが、香月は確信をもっているようだった。

「付き合ってるの?」

「いえ。」

プライベートな質問に答える義務は無い。ただ、旭に影響が出る事だけは避けたい。

それ以上話す気がないという俺の態度に、香月は大きくため息をついた。
あぁいう子は人気あるものね、と聞こえた小さい声にイラっとする。お前に、何が分かる。

単刀直入に言うわね、と香月は腕を組んで続けた。

「こういう事が起こったのであれば、あなた達を同じ部署に置いておく訳にはいかない。」

「次の異動では、どちらか動かすことになるから。」

分かったわね。

そう言って、香月は先に部屋を出ていった。
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