元カノと復縁する方法
「颯」

小さく呼ばれた事に気付き、声のする方を見ると、非常階段のドアから旭が身体を少し出して呼びかけている。余計怪しいだろ、とおかしくなった。

こんな状況でも、旭に話しかけられて喜んでいる自分に半ば呆れる。

「どうした」

見下ろすと、不安そうな顔。悪かったな、と心の中で謝罪する。

「大丈夫だったの?」

そう聞かれ、回答に詰まる俺にかぶせる。

「ごめん、私・・」

「旭のせいじゃない。」

そう言って、ぽんと頭に手を置いた。
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