DRAGON の赤い宝石

羽奈の家の近くに、お地蔵様が
おらっしゃる。

赤いよだれ掛けを掛けて
丸い顔。

白いよだれ掛けを掛けて
さんかく顔。

黄色よだれ掛けをかけた
四角い顔

奏がたまたま通りがかった。
お参りしょうと千円札の野口さんを三枚御供えしようとした時。

「あ、あ~あ、この注意書きよま
なぁ~あかんよ。
 お地蔵様は一体選ぶんじゃ。」

「そうなんですか?」
(羽奈と結婚させて下さい。)
一体のお地蔵さんにいのった

それを見ていたお爺さんは
「浮気せんことじゃ、なすれば
 嫁さくるでのう。」

赤い甚平姿の、お爺さんはバケツと
箒を持って去っていった。

「浮気は良くないよぉ。」

3歳位の、子供の声がした。
回りを見てもだれもいないが近くでハッキリと聞こえた
可愛い女の子の声だった。

ドタドタ、ドタドタ
教室に実帆が走り込んできた。
弁当を開けて唐揚げを、食べよう
としていた羽奈の口がアーン止まる。

    「どうしたん。」

「キタキタ遂にウチの
クラスにィ━━
先輩が、御宮司先輩が、しかも
大龍先輩付だよ。」

「ん。御宮司先輩って誰すか??
なんで二人興奮してんの?‼」

「・・・」

「羽奈はハア💨、あの有名な、先輩を、知らんとは?情けない」

「だって私ミーハーじゃないもん。」

「マジで言ってる?」目の前で
びっくりしている歌音に、羽奈も逆 ビックリした。
     ェ~ソンナ驚クコト?

やがて女の子達の、キャキャー言った声が近くなってくる。

羽奈は、唐揚げをほうばって
鼻の穴を広げ呼吸。
お口、パンパンにモグモグしていた。


ガラリと開いたドアに振り向くと
身長180位のマッシユウルフで少し緩めのカールのかかった、柔らかそうな髪をして眼鏡を掛けた、
キッチリとした身嗜み
凛々しい男の人が立っていた。

その横でむっつりした目のきつい
荒い髪を流した叉違ったタイプで
日本男子的な男の人がいた。

身長は、182か3
二人ともあんまりイヤイヤ、
絶対関わりたくないタイプだ、
くわばら、くわばら。

目付きの悪いカレは、
ヨレヨレのネクタイに腰パン
睨みの効いた眼力でクラスを一周‼
両方のポケに手を突っ込んだ
オラオラ系
関わりたくないチョ━危ない系

羽奈は眼鏡の奥から覗く切れ長の
少し垂れた可愛らしい目をして
パンパンの口をモグモグさせ鼻で
スースと息をした。


「ん?ありゃりゃ良く見たら・・
あれって‥(´⊙ω⊙`)もしかして?
アイツってまちがいなくね⤴‼」
    モグモグ
(銀杏、踏んでた、ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”
すねっかじりの、スネやん?マジでっ!“ゴクッ”)

前を見ると、歌音と実帆が
制服の胸の前で指を組んで目が
ルンルンハート♡♡➽バシバシ
になってた!

二人を交互に眺めるが時間が止まっている。
実帆と歌音のウルウルした目も先輩2人を交互に眺めている。
(イケメン好きめ!!)

スネやんは、しばらく何かを
捜すように教室を眺めていた。
羽奈は弁当をŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"
伊達メガネに三つ編み、お口は
パンパン‼な羽奈

ハァ(´Д` )スネやんは深い溜息を
つきながら
何人かの付き人と静かに出て行っ
たが、女の子のキャキャーは長く
響いた。

「御宮司先輩って、ヤッパリ
     いい男よね❤」

「ウンウン❤
大龍先輩もカッコイイ♡♡♡。」
 実帆がうっとりとしている。


「そ、そ、真面目ヨネ。」

うるうるした目で歌音が囁く。
( ,,>з<)ブッ`;:゙;`;:、、
飲んでたお茶が喉にひっかかった。

ゲホッゲホッ

「こら!! 羽奈。先輩達があんまりかっこいいからって、喉に詰まった か?。」

歌音が背中を慌てて摩る。

ゲホッゲホッ
(逆なんですけど、すねやんが
真面目??あり得まへんがな。
それに大龍先輩?睨みすぎ‼。)


「ヤッパリ居なかったんだね。」

実帆と歌音は気の毒そうな顔をした。

「何が居なかったん??」
「“黒い宝石だよ”。」

「ん!」
  (なんじゃそれ!)


「先輩、この学校に好きな孑が居るらしくてさ。」
«モグモグ»

(あっ、私のタコさんウインナー) 

羽奈は赤い箸に挟まれたタコさんが垂直に実帆の口にŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”
ゴクンと消えて行くのを目で追った。

「探してるんだってよ。」
ヘ‼ワタシノ 🐙サンウインナー

歌音は自分の弁当を、開くとアス
パラの肉巻きを、羽奈の口に、ポイと
放り込んだ。
クエッ‼

「マジウマ~ァ!」

実帆が羽奈のご飯と歌音のご飯に
振り掛けを、かけた。

実帆が自分の弁当を、広げると
一斉に誰が誰の弁当か分からない位に
箸が、飛び回る。


歌音のお母さんも、実帆のお母さんも
料理上手だ。

家のママは食えたもんじゃない。
お婆ちゃんは、田舎でも有名な
料理上手。TVの取材も入る程。
ママは料理大の苦手だから、ママとパパのお弁当は羽奈が作っている。

「羽奈のママは、料理上手だね。
毎日美味しい。」

「そう‥かな? 二人のママの方が旨いよ絶対υ!」


羽奈が食べ終わる頃、
奏が教室に帰ってきた。

また違ったキャキャーがお出迎えする。


隣には奏の手をしっかりホールドした
紗耶香が横に、ベッタリ張り付いている。

甘い顔に、アーモンド型のちょっと垂れた目、男の子にしては綺麗な肌、身長183

そう彼は羽奈の彼氏!

      宝生奏❤ 

俺が羽奈と合ったのは,一学期始まった頃、夜遊びして、眠気がヤバかった頃桜の木の下で寝ていたら、やけに可愛らしい子が、心配げに大丈夫かと聞いてきた。


「う‥ん、」

「ね、ね、大丈夫??」

俺は三つ編みのゴムを、軽くひくと、ぱらっと、落ちた黒い髪がやけに綺麗で目が覚めた。

心配そうに見上げてくる目が可愛
らしくって愛らしくて、取り巻きには居ないタイプだった。


クラスの中でも歌音、実帆、羽奈は仲良しでキャキャー言って韓国のグループにのめり込んでいる。


3人で良くコンサートにもいって
るとか。眼鏡をかけてやっと羽奈だとわかった。


そう、俺は羽奈に、今更ながら
“ひとめ惚れ“ してしまった
それから素っ気ない彼女に猛アタック、何度も何度も告ってやっとOK を貰った。





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