DRAGON の赤い宝石
大好きな羽奈の顔が浮かぶ。


「遊んだ罰か?」

「遊ぶ女なら直ぐ手に入る。
 だけど羽奈は、半年かけて
やっと やっと
手にいれたのに、ヤキモチ妬か
せるより、愛情表現した方が
良かったのかもな。」

ハア~ツ、何度目かの溜め息だろう。
奏はポケットの携帯を握りしめ
深呼吸をしてスクロール

押す・・・
いや、無理‼

押す・・・無理
・・・押す。
押せ‼
思い切ってポチっと押した。

「モ、モシモシ…羽奈?」

  「宝生…君?どしたの?」


「今電話大丈夫。?」

      「うん。」

「・・・ごめん。
 羽奈にやな思いさせて。」


 「もう、いいよ。大丈夫。」


「俺、セフレも切るし
 紗耶香も他の女友達も作らないから。」

  「えっ!!何で?」
      
         


「だから、もう一度チャンス
 が欲しい。」



「ダメ!!ムリだワ。私は私だけ     
好きでいて欲しいの。
宝生君には無理よ。
だって、スケベじゃん。

エロだし、セフレも必要でしょう。
私が本気になったら辛いの
分かって
だから無理よ。」


「もう浮気はしないよ、
 いやしたくないんだ。
羽奈が大好きだったって
分かったし
離れたくないし、羽奈が
俺じゃない誰かを選ぶなんで
気が狂いそうだよ‼

羽奈が好きなんだよ。」
            

「今更だよ。はやく言って欲し    
かった。ごめんなさい
無理。」
       


♪♩♬《電車が入ります。
白線まで下がってお待ちください。》 ♬♪♬♬


「まだ駅にいるの?なんで?!!」

「うん。さあな?どうでもいいよ。
もう俺の・・・
事なんて気にしなくていいよ。
 キライだろ。」

   「えっ!だけど…‥]


「明日から会えないな。」


「羽奈!宝生君なんて呼ぶなよ
 奏って呼べよ。彼女らしく。
ああ、もう彼女やめたんだったな。」


   「ウ、ウン。ゴメン。」



「電車きたから、じゃあな
元気でな羽奈。」



  むこうからライトを、
飛ばして、電車が見えた。


「・・・何?まさか😱
わ、わかあーりました一奏!
やめて、やめてよ━━━━━‼」

「マジ」

  ジャーシヤーシピーガン


「かなで一、かなで一、奏」


はしって来た、電車のドアが
開くとき、
ドアに軽くぶつかり俺はかるい
怪我ですんだ。
救急車のサイレンが聞こえ、疲れたのでそのままパタリとしばらく
眠った。


そう言えばずっと遊び惚けて寝て
なかったな。
目が冷めると父親と羽奈がいた。
羽奈はベッドに持たれかかり
俺の手を握りしめていた。

父親が、
「過労だってさ。遊び過ぎ!!」
心配そうに覗き込んで言った。


   「ゴメン、心配かけて。」


「お前にしては、いい孑みっけたな。
後で母さんと妙さん来るから
 ー緒に帰ってこいよ。」

「妙さんまで来なくて良いよ。
邪魔すんなよ。」
父親は俺のベッドに這い蹲るように寝息をたてる彼女を見て笑いながら帰って行った。


過労、
俺は過労で倒れた?
遊びに、過労・・・って


俺は羽奈が寝てるのをいいことに
手を撫でたり、頬を触ったり
セクハラまがいのナデナデを
堪能した。


羽奈、羽奈、大好きだ。
(//∇//)
「う…ん、」赤い唇を覗きこむと
唇の間から、瑞々しい、
白い歯が見えた。

(〃ω〃)「ウワ~ツ、
かわいい。」

今まで、感じたことの無い感情が
湧いてきた


俺は血液検査も全部やった。
すこぶる健康体。羽奈にそれを見せて

安心して付き合えるな。と言って
初めて、羽奈と病室でキスをした。


抱きしめると柔らかい身体の羽奈が
言った。
「チャンスは2度もないから。」


俺は嬉しくてギュ~っと抱きしめた。
羽奈が可愛いヤキモチ妬きだと
知ったから・・・

「ウンウン」
そう何回も頷いた。


紗耶香は泣いたが謝るしかない。
「な”んでぇ~””なのぉ~
うわーん😭💦」

「彼女じゃないし、初めから
ゴメン‼ もっといい男探せ
沙耶香は、良い奴なんだから
本気で相手する奴さがしてくれ。」

紗耶香は羽奈を、優先してもいい
だから2番目でいいと言った。


もう、迷わず断った。
羽奈だけがいいんだ。


紗耶香はケバいがいい奴なんだ。
友達としては最高だった。でも
羽奈が、同じ事を、したらやはり
許せない。
だから同じ事はオレも繰り
返さない。


羽奈への嫌がらせも度々あったからその道の者を入れて、監視した。

ヤバそうな奴らを捕まえ
     お勉強させた。

ただ遊んでた訳じゃない。
大事なモノは、しっかり守る。
まして
それが羽奈なら特にな。


朝から羽奈の駅まで、自転車を、
走らせるそれもママチャリ
なんでかって?

勿論買いだめの為。
羽奈は俺の弁当を、作るようになった。
毎日一緒にいる。


昼休みはチラシのチェックをする。
意外と慣れたら楽しいもんだ。


俺はダサくなったかもしれない。
彼女ベッタリの男になった。
でも、見かけは変わらないので
告られたりもする。


だけど羽奈を見るとだらしなく
なるのは確認済み‼
日を追うごとに段々と
羽奈に嫌がらせする奴も
嫌味をいうヤツも居なくなった。



そう、俺はつまんない男と
呼ばれる程、羽奈との時間を
大切にした。
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