DRAGON の赤い宝石
12月に入った。
羽奈と真剣に付き合って3年が
過ぎた。
クリスマスは俺達に取って
大イベントだ、羽奈の誕生日が来る。
初めてのクリスマスは羽奈が欲し
がってた冷凍庫。オヤジの会社の
売れ残り本当は最新型のやつ。
親父があの時、駆け付けてきて
くれた御礼にと奮発してくれた。
羽奈は凄く喜んで
親父に御礼を言ってたな。
二回目は羽奈の髪のカールが
カンタンにできるヘアーアイロン
これも羽奈がほしがったやっな。
3回目はフードプロセッサー
そして、親父の秘書の手伝いで稼いだ金で羽奈の好きな、クリスマスローズの花のネックレスをプレゼントした。
思いもよらなかったのか、泣いて
喜んでくれた。
信じられないけど、
トイレットペーパー
とか
牛乳
とか
漬け物樽
何じゃそりゃと思う物を欲しがる。
全部タダで手にいれた。
オヤジ経由ではあるが。
俺らの毎日は、
朝迎えにいき課外を受け
昼休みもベッタリ。
一緒に帰り、晩御飯を食べる。
妹達の勉強を見て、教える
帰る、毎日の生活パターンだ。
でも、充実感は凄く感じた
妹逹も、おにい、おにい
と呼ぶようになった。
ただひとつを残して。
俺達はまだピュアな関係だ。
俺は主席で卒業した。
卒業式は制服は引きちぎられ、
ボロボロだったズボンを、
履けなくて、羽奈のちんちくりんのジャージを借りて帰った。
今でも羽奈はそのときの、俺の真似して笑いコケている。
そして実家を、出てオヤジの
不動産で大学に一番近いマンションをもらった。
羽奈も家を、出た。
俺は2人で暮らすつもりだったが
羽奈は喧嘩したとき行くとこないと困るし奏も、1人になりたい日もあるかも、しれない
そう言って、激安アパートを借りた。
羽奈の部屋には机と一組の布団
後は今どきのビニールクローゼットとテーブルしかない。
奏のマンションはタワーマンションだった。
19歳の1人暮らしにしては
高級すぎる。
だけど結婚してからの住まいと
聞けば引っ越しもしなくていいし
宝生の本社にも近い
大学出たら副社長の椅子がある奏は、やはり
本当の御曹司だ。
ア~羨ましい。就職難なんて関係
ないよね〜
うらやましい。
な~んて言ったら・・・
「従業員の家庭を支えるか
ら間違えたら怖い世界なんだぞ」
とか、偉そうな奴め!と思ったが
宝生本社の前を通ったらデカ過ぎて大学生になり本社のアルバイト兼、下積を経験させる親の気持ちも解る。
大学は同じでも、建物がかなり離れている。
それに奏とは格安アパートと
高級マンションとで、かなりの違いはあるけど・・・
結局は羽奈が奏のマンション
に住んでいる。
食器もコーヒーメーカーも台所の
電化製品は全て揃えてある。
羽奈が料理好きな為、かなり
精密な電気製品の物が並んでいる。
奏の部屋なので、お礼を言うの
も可笑しいけど、羽奈の為は丸わかりなので
「ありがとう。」と言った。
実帆や歌音は違う大学へ
奏と羽奈は同じ大学だけど奏は、
跡取りが集まる、しかも後継者が
多い経済学部へ
羽奈は薬学部へと進んだ。
医学部もあり、歌音と実帆の
憧れの2コ上に、あの御曹司先輩
もいた。
そうあの銀杏野郎のすねやんだ。
そう言えば、あの黒い真珠だっけ?
宝石だっけ?見っかつたのかな!?
学部の噂じゃ、懸賞金3百万円
だそうな。貧乏学生の私には絶対押さえたい金額だ。
目が大きく、愛らしい。
ほっぺの下にえくぼあり~の
唇は瑞々しく可愛らしい!らしい。
おるんかい!
私も笑うとえくぼあり、笑わないとない。
銀杏野郎、よっぽど惚れてるんだ
早く見つかるといいな。
真面目君に戻ったみたいだし
大学に入ったら黒縁眼鏡はやめる
つもり…だったが奏がより凄い
伊達眼鏡をプレゼントってゆうか
強制的に「付けとけ」
みたいだったのでかけてる。
意味無い眼鏡。
奏が居ないのでたまにはずす。
授業中ならべっにいいだろう。
ずっとつけてると耳が痛いから。
最近俺の回りで、高校一年の時の
ような現象が起きてる。
友達も変わった。
鎌田幸寿朗、世界中にホテルを持つ鎌田コンツエルンの後継者
ビジネスショートの、元気者、
彫りの深い顔でモテモテだ。
龍音寺 端暮
日本を代表する、和菓子屋老舗の
跡取り息子、和菓子屋と言うだけ
あって甘いマスクをしている。
目はクリクリとして男のくせに
かわいい系。
背は3人共、185あり高い靴を履くとかなりヤバい。
俺達が通るだけで女の子達は
キャキヤーキャキヤー言って
くれる。
かなり、必ず目立ってしまう。
彼女いるんですか?ときかれて
「ああ、いる«ムグムグムグ»」
端暮(たく)と幸寿朗、に口を塞がれる。
自販機の後ろに連れ込まれ
「お前は、ばかか!」
「彼女持ちなんて、
恥ずかしくて言うなよ。」
「えっ!何で?」
「じゃあ、奏のカノジョ何学部?だょ」
「何で言わなきゃいけねーんだ。」
拒否ったら‥
「いえねーよな、な!
いてもブス*だろう、?」
ハハハハハ
二人はニヤニヤしながら攻めてくる。
「あの子みたいにセクシーか?」
「あっちの子見たく胸あるかぁ、あ!!」
「胸はあの子ぐらいあるぞ、
みたことないけど。
多分、ヘヘッ寝た時揉んだらあった。」
「今時、中防かよ。」
端暮はふかく
息を吐きながら首をふる。
「飯につられてんじゃねーよ。」
幸寿郎も ウンウンと頷いている。
あの子やあっちの子みんな可愛い。
だけど、羽奈は化粧しなくても可愛い。化粧したら大変だょ、マジヤバい。
ピコーン
奏のラインがなった。
「今日ハンバーグだよ。
和風、トマト味?どつち?あと
だし巻きと
茶碗蒸し、どっち?
漬け物は、糠漬けでもいい?」
「和風で、大根下ろし多めな!
あと、だし巻きがいいな。
タマネギと豆腐とあげの
味噌汁。 漬け物は、まだ
白菜があったよ。」
「り」
ハア~ツ、
「その若さで、16から付き合ってん
だろ?」ハア~ツ
「マジ、やばいワ。!!!」
「これで、何時にかえるう~なんて来たら奏のカーチャンって
呼ぶぞ‼?」
端暮も笑いながら、「賛成」
「ウチの母親からも良くこんなの
来るぜ。」
「アハハそうそう、うちの母親も。」
幸寿朗 も大笑いしながら同調した。
3人で、スマホ、を眺めて、
「くるか?くるか?くるか?」
ピコーン
「「「きた一つ」」」
「アイスクリーム!買ってきて。」
ズコーン、
「そこは、合せて、何時帰るの って聞けよー。」
俺が羽奈LOVE と、知っていながらに
2人は遊びを誘ってくる。
少し揺れだした自分に気がついた。