それでも別れない理由
夫婦は実にまた10年位、いい争いがたえなかった。でも流石にこどもの前では普通にしていた。
結婚がこんなものなら友人にはすすめられない。だって夫婦の信頼なんてどこにあるのか。
瑠璃子の葛藤はつづき、ついに、瑠璃子は「その女にあいます。話たいから。とりもってください」
 ここでもすったもんだがあって、会う直前で瑠璃子はリアルに陸男の女にあうことを断念した。
陸男は自分で念書とやらを持参し、「もうにどと女性と問題をおこさない。誓います、これからは瑠璃子さんだけをみて生きていきます。信頼をとりもどせるように頑張るからみててください」
それを信じた瑠璃子が本当にバカでした。
そのとき実は陸男はその女性に勝手に一人で会って
「あの尾瀬の旅行の時同じ部屋を取っていっしょに泊まったのはなぜだ」ときいたそうだ。

ようするに自分にたいして好きだったか聞きたかったということだ。女性はその時でさえまだ独身だったそうだ。答えははぐらかしたそうだ。
この時でさえイイタクナイ程、全員イイ年ナンデスヨ。全員アホウですよね。恥をしらないのでしょうか。
あれからほんの6年なのに今回また女性問題(5年半そして現行犯逮捕)起こした陸男。当時の念書のことを陸男はこうほざいています。
「あれは忘れた。念書なんかいくらでも書いてやる。破り捨てればいいんだ。聖人君子じゃないんだから、結婚してても男だから女くらいさそうさ」
ジキルかハイドか、陸男は本当に見た目は誰がみても穏やかで女なんか、だい嫌いって風なんですよ。初老の男性ですよ。
宮沢賢治かとおもったら、太宰でしたネ。女で身を持ち崩し。でもオンナがいないと生きていけないダメ男。残念ながら瑠璃子はそういうバカ女にもいれてもらえてないみたい。

悪いことに今回同じタイプの女に目をつけられだまされたみたい。夫以外の男が必要。ねんじゅう、男にすり寄り、べたべたしていることが生きている証みたいな、大蛇。自分を好いてくれる男がいてチヤホヤされていないと生きていけない女太宰ってやつ。

陸男ったらね。瑠璃子に嘘ついて会社にいくふりして、こういう女と付きあっているあいだにね。我家の子供が結婚した。何を勘違いしたのか、陸男はね、女にね、その件を告げ、祝電がきて、結婚式披露宴でロウロウと司会者からその女の名前が読みあげられることを肯定していたの。影の女の名前だよ。事実が暴露されたら母親を泣かせる女の名前だよ。子供にも裏切りだよね。

それを瑠璃子が知ったのが数年たった最近。
結婚式会場からその祝電、陸男がどういうルートで手にいれたのか、また瑠璃子に隠して(一緒に当然家に帰ってきたのにだよ。)もち帰ってきた。そうやって結局5年半瑠璃子にも子供にも嘘に嘘を積み重ねて女と付き合い生きてきた陸男だよ。そっと自分で待ちかえった祝電、家のどこかに隠していたのよ。なん年もさ。何の目的で。女が大切ってことかしら。

そのほかにも、瑠璃子に隠しての陸男の写真展に女同伴だったり(何回も)陸男の写真の載ったポスター、女にあげたりと瑠璃子には内緒でしたことが数えきれない。
どこまで妻をバカにしてフザケタマネを。
そしてずっと隠しているくせに、瑠璃子がまとをはずさずズバッと聞いたことだけはしかたなく白状してまたまた一波乱ということの繰り返しです。
まだまだ陸男は山のように大事なことを隠しているんでしょう。瑠璃子は4Kやせました。

陸男が100パーセントわかりません。陸男の何を信じればいいのか。こどもさえ妻にはうませればいいのか。今はもう瑠璃子が陸男と結婚している意味さえわかりません。

陸男は気がちいさいからか、ことが発覚してもう14か月だけど、時々苦しいのか切れて瑠璃子に精神的肉体的なDVをする。
またはひどく落ち込み「もう生きていけない」と吠える。または、じぼうじきになる。なにを勘違いしてか瑠璃子をことさら責める。

ふつう、結婚前には女関係はきれいに清算して結婚するだろう。退職前には影の女は綺麗にしょぶんして妻が待つ我が家に綺麗な体で帰還するのだろう。陸男はもうめちゃくちゃだった。大人ではありません。小さなちいさな子供です。いま彼は「だからもうこの年でかわれないから、もうしないから、それで我慢して」という。瑠璃子はとてもつらいです。何度その言葉を信じ裏切られたことがあったか。
「それでも別れない理由」。
それは、ここが、結婚こそがベースキャンプだから、です
大事な、大事なこどもたちや孫の帰れるところ。思い出がいっぱいつまった場所。
第二キャンプ、第三キャンプが万一ダメになって、撤収してきてもシッカリと支えられる、確かなところそれがベースキャンプなのです。こここそがそれでありたい。絶対撤収はなし。
 小さな幸せだけを求め何一つ贅沢を望まなかった瑠璃子だが、ここへきて陸男の浮気まがいが発覚して精神的なものはなにもかも失いました。
哀しいけど、夫婦の愛だけが結婚の全てじゃない。あったことはあったこととして一生覚えている。最後の最後まで自分を捨てずふんばるんだ。
人生は誰でも一回きりだ。
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