【短】碧くんしか見てないよ


***


「よおし!今日は行くよ、和華!」


昨日と打ってかわって、今日はかんかん晴れ。


モモは日焼け止めを塗りながら言った。


わたしも顔だけ塗っておこう。


「お、和華、見る気満々じゃん~!赤松先輩のこと気になり始めたあ~!?」


「ちがうって」


赤松先輩はたしかにかっこいいとは思うけど、全然心揺さぶられない。


碧くんのことは、まだモモには内緒。


意外って思われそうだし。

だって、わたしが今まで付き合ってきた相手は、わたしより絶対背が高かったし、顔立ちや中身も大人っぽい人ばかりだったから。


わたしひとり、碧くんのよさに気づいとけばいいんだ。


まあ、モモには感謝しなきゃ。

モモに付き添わなければ、わたしはきっと碧くんの存在さえ知らなかった。

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