サヨナラの向こう側
彼はまた

『どーも』

とだけいった。


でも無愛想なわりに優しい目が印象的で悪い人ではない気がした。


『こいつ緊張してんの』

ボソッと健ちゃんはあたしと奈緒に耳打ちした。



それが聞こえたのか彼は少し顔を赤くして健ちゃんの頭を叩いた。


『暴力はんたーい!』


大袈裟に痛がる健ちゃんがおかしくて、いつのまにかあたしの緊張もとけていた。
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