サヨナラの向こう側

涼太さんの席に座ると今度は女の人の隣で安心した。

とても綺麗な人で、少し見惚れていると、視線に気が付いたのかあたしを見てにっこり微笑んだ。


『あたし麻美。よろしくね雪ちゃん♪』


差し出された手には綺麗なネイルアートがしてあって何もしてないあたしは少し恥ずかしかった。


『ごめんね。直哉お酒入ると女の子口説く癖があるの。』

少し困った顔で直哉さんを見ていた。


『あいつはよく酒に飲まれるからなぁ…』


そういったのは麻美さんの隣に座っていた人だった。

『これ高志。運動バカなの』

確かに体育会系で頼れる兄貴的な感じ。


『誰が運動バカだよ。』


『さらに鈍感なの(笑)』


少しふてくされ気味な高志さんをよそに麻美さんはクスクス笑っていた。