サヨナラの向こう側

涙が枯れるまで

『さて、そろそろお開きにしますか!』


夜の3時。
結構遅くなっちゃったな。

『雪。あたし今日このまま健ちゃん家に泊まるね。』
少し赤い顔した奈緒は健ちゃんに支えられながら手を振った。


『じゃあ雪ちゃんは俺が送ってくよ!』


立候補したのは直哉さんだった。
有り難いけど直哉さんと一緒の方が危険な気がする…
でも一人も怖いしなぁ。


『直哉は酒が残ってるからダメ!うちらと帰るよ。
涼太は飲んでないから送ってやんなよ。』


麻美さんはあたしが直哉さんを警戒している事に気が付いて気を使ってくれた。

涼太さんだったらなんか安心だなぁとチラッと見ると、頭をポンポンと撫でて助手席のドアを開けてくれた。


頭を撫でるのは涼太さんの癖かな?




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