サヨナラの向こう側
『雪ちゃん!涼太になんかされたらすぐに連絡してね!』


『はい!今日はありがとうございました★』


窓から顔を出しながら大きく手を振った。



車が動きだすとみんなは見えなくなり、あたしは体を前に戻した。


静かな車内にあたしは緊張した。


達也以外の男の人と2人きりなんて初めてだったし、男の人の車に乗るのは初めてだった。


静かな車内にエンジン音だけ響いていた。


あたしはこっそり涼太さんをみた。


背が高くて、整った顔立ちしてるなぁ…

直哉さんとはタイプは違うけど涼太さんもモテそう。


『なに?人の顔ジロジロみて。』


『…なんでもないです。』

見ていた事がバレて恥ずかしくなったあたしは窓の外に目を移した。


もう夜も遅くなってきたから街を歩く人も少ない。

ぼーっと外を見てると待ち合わせで良く使われる駅前の噴水で、仲良く手をつないで座る2人が見えた。


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