サヨナラの向こう側
あたしはそんなに羨ましそうな目をしてたの?


そぅ思うと恥ずかしくなった。



『そんなことないです!』

言葉とは裏腹に赤くなる顔が嘘だと物語っている。


なんなのこの人…
二人とも早く戻ってきてよ〜…





大量の荷物を抱えて戻ってきた健ちゃんは、気まずそうに立っているあたしをみて、あぁ!!と叫んだ。


『紹介するの忘れてた!こいつ涼太!柏木涼太。大学の同級生なんだ』


『どーも』


柏木涼太と呼ばれるその人は無愛想に一言だけつぶやいた。

とても興味のなさそうな顔をして…


でもそんなことはお構いなしに健ちゃんは紹介を続けた。

『これがMyハニーの鈴木奈緒ちゃん☆
涼太!手を出すんじゃねーぞ!!』


奈緒を軽く抱きよせながら健ちゃんは彼にクギをさした。


仲良しっていうかバカップルだったんだ…

見てるこっちが恥ずかしくなるよ…


『こっちが奈緒の友達の谷口雪奈ちゃん。』


さっきの事もあったせいか、うまく笑顔が作れなくて引きつった笑顔で軽く頭をさげた。





< 9 / 21 >

この作品をシェア

pagetop