御影第一高校の昼休み
僕は弁当箱の蓋を開け、友人は紙パックにストローを突き刺し。

それぞれの食事が始まる。

時折談笑を交えながらの昼食。

たまに他のグループでドッと笑い声が上がり、そっちの会話も織り交ぜながらの楽しいひと時だ。

「そういえば昨日の放課後、また職員室に警察来てたぜー」

焼きそばパンを頬張りながら、聞き取りづらい声で友人が言う。

「ん?安藤先生の件?」

「いや、多分小山田の件だと思う」

もしゃもしゃと咀嚼したパンを飲み下して、友人が答える。

…安藤先生は、数年前に娘さんを交通事故で亡くして以来、少し情緒不安定なところがあり、みんな心配していた。

それがつい先日、放課後に旧校舎に足を運ぶのが目撃されて以降、行方がわからなくなっている。

情緒不安定だという事もあり、自殺ではないかと考えられているみたいだけど、警察は事件と事故の両方から捜査している。

だが、今回は警察は安藤先生ではなく、小山田の件で来たらしい。


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