この声が聞こえるまで
それから数日後、私は十八歳の誕生日を迎えた。

誰かに呼ばれるかのように目が覚め、足は自然と庭の桜の木へと向かう。

玄関の扉を開けると、そこには生まれて一度も花を咲かせたことがなかった桜が満開に綺麗な花を咲かせていた。

「よく来たね。」

「私を夢の中で呼んでいたのは貴方?」

「そうだよ。今はまだ思い出せなくても、きっとそのうち思い出せるはずだ。」

私はこの人に会ったことがある気がする。

それは遥か昔の遠い記憶を探っているかのようだった。

「さぁ行こうか。」

これが私の新しい物語の幕開けである。
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