この声が聞こえるまで
終焉の始まり
ひらりと華麗に舞い落ちる桜の花びら。

そこに佇む男性は余りにも美しく言葉で表現をするのは難しい。

もし、この世にある言葉で表すとするならば"貴公子"とでも呼ぼう。

この時代とは不釣り合いな容姿に服装。

此方の時代の人間では無いということは、一目見れば分かる。

それでも何故か彼の言葉は優しく温かみが感じられ自然と足が進む。

「結、行くな!!」

振り返るとそこにはいつもの姿からは想像も出来ないような焦っている吏人の姿があった。

「雅彦殿、お久しぶりですね。今は、吏人とお呼びするべきでしょうか?」

「何をしに来た?此方はお前の居て良い時代ではないのは知ってるだろ。」

私の知らない二人の会話にモヤモヤと胸がザワつく。
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