この声が聞こえるまで
「此処に、彼女の居場所はありません。それなら私が連れて行っても何も問題はないですよね?」

何故、それを知ってるの??

「結は私の主の大切な家族だ。」

"家族"それは血が繋がっていればそう呼べるの?

誰も、私自身なんて微塵も知ろうともしないくせに。

「なら、彼女に此処に残るか、私の時代に行くか決めてもらおう。」

きっと彼は返事なんてもう分かりきってるんじゃないだろうか。

ゆっくりと止まっていた足が前へと一歩ずつ確実に地面を捉え進む。

これがもし、間違った判断だとしてもここに私の居場所なんて存在しない。

それなら私の結論は一つ。

また新たな場所で一から全てを始め直す事だ。

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