この声が聞こえるまで
目の前に咲く、四季の花に目を戻し学校へと足を進める。

校内には朝から廊下でイチャついているカップルが目に入る。

内心、イラッとした気持ちと嫉妬が混じった感情でカップルを横目に通り過ぎた。

教室に着くと幼なじみの陽葵(ひまり)が天使のような微笑みで話しかけてくる。

「おはよう!今日は、一限が体育に変わったらしいよ。」

「えっ、朝から体育なの…」

体育が嫌いという訳では無いが正直、朝は体がまだ起きていないから体育はキツい。

「朝のHR終わったら一緒に着替えに行こう。」

こんな太陽みたいな笑顔で言われて断れる人がいるのだろうか?

彼女は肩にかかるくらいの淡い栗色のふわふわとした髪をしている。

特に染めた訳でもなくて生まれつきらしい。
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