ハル色に染まるるを…


そのまま肩にだけにとどまらず
先生の手は二の腕に下りてきた。

「あ、あの。もう大丈夫ですから。」

一生懸命、離れようとするも
男性の力には敵わない。

「全然だよ、身体温まってないじゃない。
手のひらだってこんなに冷たい。」

強引に手のひらに触られ、虫唾が走った。

「あの!本当に大丈夫ですから!」

耐えられず、かなり強く断り立ち上がった。


すると…

「年上の言う事は聞くものだよ!」

突然、大きな声で林田先生に
怒鳴られた。

ビクッとして、固まる私に
今度は静かな声で言う。

「本間ちゃんは最近の若い人とは違うと
思ってたのに…ガッカリしちゃうな。
ほら、ちゃんと座って。」

そうして、肩を押さえつけられ
椅子に座らされる。

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