ハル色に染まるるを…


でも、全く痛みは感じない。


なぜなら、誰かに抱きとめられているから。

そして、私は
この匂いをよく知ってる。


「…は、ハルくん。」


私のヒーロー。

やっぱり来てくれた。


「ゆい?大丈夫か?立てるか?」


ハルくんの優しい声に
力なく頷く。

そっと、抱き起こしてくれるハルくん。

向かい合う形になり、街明かりで
優しい彼の表情が見える。

「うぅ…ハルくん。ぐすっ…」

安心した私は、涙が止まらなくなった。


「あぁ…大丈夫。大丈夫!
よしよし。」


そう言うとハルくんは、
私の背中を優しくさすってくれた。


子どものようにしがみつく私。


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